ゲノム編集で世界初のデザイナーベイビーが。
ゲノム編集でヒトが作り出されてしまったらしいです。
ちょっぴり真面目な話で、ニュースの紹介です。
先日2018/11/27に会社のお昼休みにYahooニュースで見かけたニュースです。
自分の専攻する分野なので、せっかくだしブログにも取り上げてみることにしました。
一言で言うと、悪いニュースです。
ざっくり、何がなされたか
こちらの記事がわかりやすいです。
ぼくなりにまとめると、
- ヒトや動植物など”生き物”の性質は、DNAで決まってきます。
- このDNAを書き換えることができれば、望み通りの性質を持った生き物を作り出せてしまうわけです。
ちょっと雑談↓
映画やファンタジーの世界のように聞こえるかもしれませんが、実際に可能でヒト以外ではすでによく行われていることです。
有名な例では青い薔薇があります。もともと薔薇には青い色(をつかさどる色素)を作る(酵素)遺伝子がありませんでした。そこで薔薇に近い植物の青い色を作る遺伝子をかたっぱしから薔薇に入れてみたんです。その結果、パンジーのもつ青色色素合成遺伝子が薔薇の中でも正常に機能し、薔薇の花で青色を発することができました。
ヒトで大袈裟な例をあげると、鳥とかの羽が生える遺伝子をいれてやれば、天使みたいな羽が生えたヒトが作れるわけです。
雑談終わり↑
今回なにが問題になったか
こちらの記事がわかりやすいです。
ぼくなりに簡単にまとめると、
- ゲノム編集とは、生物の遺伝子情報をつかさどるDNAを書き換えることです。
- それによって、病気に強い野菜や身の詰まった魚を作り出すことができています。
- 今回の場合、難病とされるエイズウイルス(ヒト免疫不全ウイルス:HIV)への耐性を付けた子供を生み出そうとしました。
- 何がダメかと言うと、”ヒト”の遺伝子を人為的に書き換えることです。
- 例えば、エイズって病気だからヒトの遺伝子の書き換えがオッケーってなると、ものすごい身体能力や整った容姿を持った子供も作ってオッケーとなってしまうわけです。
- 世界各国がヒトのゲノム編集はタブー(禁忌:やってはいけないこと)としているのですが、中国の研究者がやっちゃったんですよね。
また少し雑談↓
じゃヒトへの利用がまったくできないじゃないか、って思うかもしれませんが、
そうでもありません。
ヒトの遺伝子を書き換えた実験として受精卵に手を加えることは以前アメリカの研究者が行ったこともあります。
いいとは言いませんが、受精卵をゲノム編集することは効率がいいんです。
ヒトは多くの細胞からできていますが、元をたどると受精卵という1つの細胞から作られます。元になる遺伝子情報を書き換えることでそれ以降作られる細胞に対しても効率よく書き換えた変異が伝わると考えられています。
今回問題だった点を少し掘り下げると、ゲノム編集を行った受精卵を胎内へ戻して着床させたところにもあります。
つまり、実験として体外で行うものではなく、胎内に戻ったことで
ヒトの体に生命が宿ってしまったんです。作られた生命が!
雑談終わり↑
最後に、ゲノム編集は「神の領域」と呼ばれていると聞きました。
なにせヒトを思うように作れますからね。
こういった優れた技術を追い求めるのは科学者として当然のことかもしれません。
第一人者として名声を得ることは誰もが望むことかもしれません。
技術がここまで(ヒトを作り出せること)進歩していることと、その裏にある問題点について興味を持ってもらえたらうれしいです。